三叉神経痛
顔面痛の一つの三叉神経痛は、歯科、耳鼻科などとの境界領域なので、しばしば他の疾患と鑑別が困難です。
神経血管減圧術で治癒できる典型的三叉神経痛の特徴は、
- 片側の顔面に起こる激痛
- 発作性 痛みの持続は1秒から30秒くらい
- 痛みは“針でさされるような”“焼けつくような”電撃様
- 会話、食事、洗顔、歯磨きなど顔面の運動で誘発される
- 時として数ヶ月から数年の休止期があるが再発する
- テグレトールという薬物が効く
などです。
特に神経痛の発症早期は歯痛と紛らわしく、よく似ているので病歴聴取からの注意深い鑑別が重要です。神経血管減圧術による手術治療は、副作用のため薬が継続できない場合や、患者さんの年齢が若く根治治療を希望される場合に行います。手術は耳の後方から毛髪線に沿って切開し、三叉神経を圧迫している小脳動脈を確認し、神経を再度圧迫しないように、血管を移動させます。この手術によって95%以上の患者さんの症状が消失または改善します。
右三叉神経痛の患者さんのMRIです。右三叉神経(黄色矢印)と血管(赤色矢印)が接触しています。 | 3次元CTをとると、三叉神経(黄色)に小脳動脈(赤色)が圧迫しています |
手術の写真です。
白い三叉神経(黄色矢印)に動脈(赤色矢印)が接触しています | 三叉神経から動脈を減圧(接触しないように離す)しました。術後、顔面の痛みは消失しました |
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