片側顔面痙攣症
顔の半分の筋肉が収縮する(痙攣)疾患で、ふつうは目の周囲から始まり痙攣が口元までおよびます。さらにひどくなると首元の筋肉も痙攣するようになります。痙攣はかならず同時に起こります。ぎゅっと目をつむると痙攣が誘発されます。患者さんによっては痙攣のたびにコトコトという耳鳴りを自覚されることもあります。顔の筋肉を動かす顔面神経に血管があたっていることが原因です。この疾患自体は命に関わるものではありませんので治療は美容的な意味合いをもっています。ただひどくなると痙攣によって目があかなくなり交通事故を起こしてしまったり、人前にでるのが億劫になり精神的につらくなってきます。治療法としてはボトックス毒素治療と手術があります。手術が根本的な治療法です。顔面神経を圧迫している血管を手術で移動させて減圧します。成功率は95%ですが、直後に痙攣が消失する方は約70%で、残りの25%の方は半年から一年ほどかけて消失していきます。
手術の写真です。
顔面神経の根元(黄色矢印)を動脈(赤色矢印)が圧迫しています | 顔面神経に動脈をがあたらないようにします。この症例ではテフロンという人工物(水色→)を挿入しました。術後、顔面痙攣は消失しました |